【声明】小田原市の「ジャンパー事件」は行政による人権侵害であり、被害実態の解明と再発防止を強く求めます

小田原市の「ジャンパー事件」は行政による人権侵害であり、被害実態の解明と再発防止を強く求めます

 

2017年1月22日
反バッシングムーブメント
共同代表  大内 萌  渡辺 寛人

 先日、神奈川県小田原市の生活保護を担当する職員が「保護なめんな」「不正受給するような人はカス」などという言葉がプリントされたジャンパーを着用して対応に当たっていたことが報道されました。職員が自費でジャンパーを作成し、2007年以降配属された大半の職員が当該ジャンパーを購入、着用していたことが明らかになりました。

 私たち反バッシングムーブメントは、今回の事件の問題点は以下の点に要約されると考えています。


1、職員が生活保護利用者に対して、犯罪者予備軍であるかのような差別的な認識を持っていたこと
2、当該ジャンパーを着用することで、実際に利用者に対する差別表現を行い、利用者の人権を侵害したこと
3、当該ジャンパーを目にした受給者が心理的苦痛など被害を受けたであろうこと。またジャンパー作成に端的に表れている差別意識を持って対応にあたる中で、実際にパワーハラスメントなどの被害が生まれているであろうこと


 小田原市ジャンパー事件の背景には、生活保護利用者の「不正受給」対策を強調し、福祉的な専門性よりも、利用者を潜在的な不正受給者としてみなして、「警察的」な対応を強化してきた生活保護行政の政策があります。こうした政策的背景のもとで、生活保護を利用する人たちをあたかも「犯罪者予備軍」としてみなすような認識が、現場のケースワーカーに浸透していたと考えられます。

 さらに、今回の事件の大きな問題は、利用者を「犯罪者予備軍」とみなすようなジャンパーを実際に着用して職務にあたっていたことです。これは、ケースワーカーが利用者を「犯罪者予備軍」としてみなして利用者を差別的に威圧する行為以外のなにものでもなく、生活保護利用者に対する人権侵害に該当します。市民の生活を支え、人権を守るべき立場の行政が、このような人権侵害をおこなっていたことはあってはならないことです。

 このようなケースワーカーの行為によって、生活保護利用者が心理的苦痛を受けるなど具体的な被害が生じていると考えます。したがって小田原市は、今回の事件を踏まえ、具体的な被害実態を明らかにし、再発防止策を徹底する必要があるでしょう。私たちは小田原市に対し、被害実態の究明と再発防止の徹底を強く求めます。
 
 小田原市で起きた問題は決して特別な事件ではありません。生活保護行政の現場では同様の差別的意識が蔓延し、人権侵害が生じています。私たちは、今後もこうした差別意識にもとづいた人権侵害を是正するための取り組みをおこなっていきます。

以上

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